雪は空中にあります

あなたが目を覚ますたびに、すべての夢と一緒にいることへの長い愛をあなたに送ります
てぃーだブログ › 雪は空中にあります › 2016年02月

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Posted by TI-DA at

きわめて友好的な

2016年02月25日

 一行は飲み屋を出て、階段を上っていった。
「なかなか収穫があったじゃないですか」とクリク。
「運がよかった。あの老人が今夜あそこにいなかったら、どうするつもりだったんだ」カルテンが言う。
「そのときは誰かがあの人を教えてくれたさ。ビールを老年黃斑病變おごってくれる人間には、みんな親切だからな」
「アラスがでっち上げた筋書きは覚えておいたほうがいいな。国王の遺骨をサレシアへ持ち帰りたいと言えば、埋められた場所を尋ねて歩いても不審に思われることはないだろう」ティニアンが言った。
「それは嘘をつくことになりませんか」とベリット。
「そんなことはない」アラスが答える。「王冠を手に入れたら、サラク王の遺体はサレシアで埋葬しなおすわけだろう」
「当然です」
「だったらそれでいいじゃないか」
 ベリットは疑わしげな顔になった。
「夕食の準備をしてきます。でもその論理には欠陥があると疣治療思いますよ、サー?アラス」
「そうか?」アラスは驚きの表情を浮かべた。
 翌朝もやはり雨だった。カルテンはスパーホークと同室だったが、夜のあいだにどこかへ抜け出したようだった。友人が部屋を抜け出したことについて、スパーホークは豊かな腰の、女給ニーマの関与を疑ったが、カルテンに問いただすことはしなかった。何といってもスパーホークは騎士であり、紳士なのだ。
 たっぷり二時間ほど北へ進むと、草に覆われた塚が点在する広い牧草地に出た。
「どれから始めたものかな」ティニアンは馬を下りて考えこんだ。
「好きなのを選んでくれ」スパーホークが言った。「ワトという農民に聞けばもう少し詳しいことがわかるかもしれんが、とにかくまずここから手を着けてみよう。時間の節約になるかもしれない。時間は足りなくなってきているんだ」
「いつも女王のことを心配しているんですね」とベヴィエ。
「もちろんだ。それがわたしの責任だからな」
「それだけではないような気がしますね。あなたの女王への献身は、義務の域を越えています」
「ばかにロマンティックだな、ベヴィエ。女王はまだほんの子供だぞ」スパーホークは腹を立てると同時に、言い訳めいた口調になっていた。わざとぶっきらぼうに、全員に声をかける。
「始める前にまずあたりを見まわっておこう。ゼモック人に見張られていては困るし、こちらが手いっぱいのところを、シーカーに支配された無表情な兵士たちに襲われたりしたら、もっと困ったことになる」
「撃退してみせるさ」カルテンが自信たっぷりに応じる。  

Posted by にテニスエ at 13:24Comments(0)

それにこしたことはない

2016年02月22日


「ビィルトーラ・テラ・ヴィ・モールド」
テンテンが融合の呪文を唱えた。女神「クシナ」の力を授かったセイレはなっぴに融合されていく。それを確認すると、 なっぴのいった通りミーシャはタマヨセ、タマフリそしてタマム頭皮發炎スビと続くアマオロスを使った。そして目覚めたなっぴは今度はマンジュリカーナとしてその奥義を使った。
「ビィルトーラ・テラ・ヴィ・モールド」
 ミーシャがなっぴに吸い込まれていく。彼女は新たに「ヒメカ」の力をなっぴに加えた。なっぴは『虹の戦士』の姿に変わる。髪はセイレと同様の緑色だ。間髪を入れず、コマンダーからテンテンの声がした。
「なっぴ、ムシビトたちの創意を今ここに召還します。ヨミの戦士召還!」
「寄り代」として現れたのは「ダゴス」「ザラム」「ガラム」「ゴラム」のヨミの戦士だった。彼らは「シルティー」によってすでに寄り代として融合していた。コマンダーから「黄金のカブト」が跳び上がる。
「イト、降臨!」
ムシビトの最大の守り神「イト」の姿をなっぴ數學M2は久し振りに見た。
「あなたたちに、イトが降臨するなんて。ありがとうムシビトたち……」
「礼はシュラを倒せてからだ、お前同様この体ならシュラは感知もしにくいだろう、しかしそのうちAIは学習するだろう、その前に倒さねばならない」
 全身を紫のスーツで固めた虹の戦士とレムリア最強の巨大昆虫人が連れ立ってオロスに向った。テンテンは、なっぴの中で二人を制御しながらなっぴにこう告げた。
「いい、直撃は避けて。スーツは堅くてもあなたは生身なんだからね」
「解った。跳んで跳んで跳び続けるわ」
 オロスの赤茶けた岩に立っていたのは、一見して「蜂」と見て取れる「シュラ」だった。まだこちらには気付いていない。その背後に影が動いた。
 「火の海」がそこまで迫ってきた。渡り鳥が飛び立つ、オロスの大型肉食獣も散り散りに駆ける。シュラのAIにはしかしそれも単なるターゲットでしかない。
「世界の終わりが来るのだろうか? 親父が話していた女神がもし本当にいるのならあの化け物を止めてくれ……」
高台から叶わぬまでもひと咬みしてやろうと、シュラを狙うものがあった。真っ黒いジャガー、「オンサ」の子孫だ。オンサはラミナを慕いナナイロフウキンチョウとともにオロスに移り住んでいた。この地に突然現れた蜂の化け物「シュラ」をフウキンチョウも睨みつけていた。フウキンチョウはシュラの前を飛び回りオロスの動物たちのために時間稼ぎをしていたのだ。その羽はかなりすり切れていた。
そのおかげでシュラがスキャンした範囲からかなりの生き物は脱出できた。それを確かめた後、せめて僅かな抵抗を試みようとした時、彼らは上空を見た。そこに女神は静かに現れ、まばゆく輝きながら化け物「シュラ」の前に降り立った。
 黒いジャガーとナナイロフウキンチョウはその女神を見ると、同時に叫んだ。  

Posted by にテニスエ at 16:34Comments(0)